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2006年12月 9日 (土)

継体天皇についての伝承地(5) 本巣市根尾

岐阜県本巣市は根尾川沿いの本巣町・糸貫町・真正町・根尾村が2004年に合併して出来た新しい市です。

Neousuzumizakura1 さて、本巣市を流れる根尾川の上流、福井県と境を接す所に根尾地区(旧根尾村)があります。ここには樹高約17m・枝張り約23m・幹周り約9m・樹齢1500年と言われる天然記念物に指定された「薄墨桜」が在ります。

この桜には、継体天皇の生い立ちに関する意外な伝承があり、その伝承は昭和の初め頃に発見された「真清探當證(ますみたんとうしょう)」と題する古い本の中にも書かれています。そしてその内容は「日本書紀」に書かれているものとは、大きく異なるものです。

「真清探當證(ますみたんとうしょう)」については1992年に河出書房新社から出版されている小椋一葉氏の著書「継体天皇とうすずみ桜」を参照していただくとおもしろいと思います。

では伝承について簡単ご紹介しましょう。

皇位継承の争いで父の市辺押磐皇子が後の雄略天皇に殺され、その子である億計王と弘計王の兄弟は、尾張に逃げて隠れ住みました。
月日が流れ、弟の弘計王に皇子(後の継体天皇)が生まれましたが、雄略天皇を恐れて養父母に託し、根尾谷に隠して育てる事になりました。
雄略天皇が亡くなって何年かが過ぎて、清寧天皇によって見出された兄弟は都に戻ることが出来ました。
そして賢者であった弟の弘計王が天皇(第23代顕宗天皇)に即位し、その後を継いで兄の億計王が天皇(第24代仁賢天皇)に即位しました。
この時、29歳に成っていたのちの継体天皇が都に上がることになり、別れを惜しんで桜の木を植えたそうです。
以上が簡単な「薄墨桜」に関する内容です。

なお、以前には奈良時代に都を追放された「根尾殿」の墓標とも言い伝えられていたそうです。

伝承が残る根尾地区は、継体天皇の父方の祖母の出身氏「伊自牟良氏」の支配地域にある武儀川の上流部と境を接し、伊自良地区とも非常に近い位置にあります。
また、「温見峠」を越えると越国に行くことが出来ることから古代より尾張や美濃と越を結ぶ道があったと思われます。
現在は国道418号線や国道157号線が走っています。

所在地については下記地図をご参照ください。
Neomurazu11














根尾の薄墨桜
所在地 岐阜県本巣市根尾板所

電車では
JR大垣駅から樽見鉄道にて(約1時間)終点「樽見駅」下車、徒歩約15分

車では
名神高速大垣インターから大垣市内を抜けて本巣方面へ約40キロ
国道157号線と418号線分岐地点を過ぎて左折して新市場橋にて根尾川を渡り坂を上がる。
シーズンには交通規制あり。

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