継体天皇の故郷を訪ねる旅(1)坂井市丸岡町
福井県坂井市丸岡町は継体天皇の母、振姫が生まれ育った所と言われています。
また、日本書紀に拠れば幼い頃に父を亡くした継体天皇が近江国三尾から母振姫と共に移り住み、即位前までの時期を過ごした第2の故郷でもあります。
丸岡は日本最古の天守閣 「丸岡城」が残る街です。以前は丸岡町でしたが、市町村合併により坂井市となっています。
さて、丸岡には、継体天皇にゆかりのある神社や北陸最大規模の前方後円墳などの多くの古墳が点在しています。古墳のほとんどは丸岡周辺の山の尾根に作られています。
この中で横山古墳群がある坪江地区の平地には、馬蹄形の壕があったと言われる「わんかし山古墳」という可愛らしい古墳があります。
この古墳は国道8号線瓜生交差点近くの工場の敷地内にありますが、道路沿いの垣根から見るこが出来ますし、工場の事務所に言えば敷地内から見学できます。また、丸岡城も古墳跡に築城されたと言われています。
では、ここで丸岡地域にある継体天皇ゆかりの地を多少ご紹介しましょう。 1 横山神社 (坪江地区)
この神社は三国公の祖先が眠る「横山古墳群」に隣接し、坪江郷34ヶ村の総社として延喜式にも記される古社です。
祭神には継体天皇を祀ています。
2 高向神社 (高田地区)
日本書紀に記される継体天皇の母「振姫」の故郷「多加牟久(たかむく)」とされる旧高椋(たかぼこ)村にある神社です。
昔は高田地区の北方200mにあった古堂様(ふるどうさま)と言われる地にあり、振姫の父(ヲハチノキミ)を祀っていたと言われる延喜式に記された古社でした。
明治の初め頃に「国神神社」に合祀され、現在は水田地となっています。
現在の社は昭和40年ごろ現在地に再建されたものです。3 国神神社 (石城戸1丁目)
継体天皇の皇子「椀子皇子」が生まれたと言われる岡に皇子の衣を埋めて神明宮を設けたとの伝承があり、戦国時代の終わりにこの岡に「丸岡城」が築城されることになって現在の地に移されました。
継体天皇の子「椀子皇子」を祀り、相殿に「振姫」と「応神天皇」を祀っています。
4 久米田神社 (下久米田地区)
「大伴金村」はこの地に留まった継体天皇即位前の妃(当地の豪族の娘)と赤子を迎えに来ましたがすでに亡くなった後で、二人をこの地厚く葬ったと伝えられ、敬意を表してこの社に「大伴金村」を祀っています。
5 天皇堂(てんのう堂) (女形谷地区)
日本書紀には西暦507年1月先帝の崩御に伴い、越国に住んでいた継体天皇に対して即位の要請に来た臣・連らとの会見の様子が記されています。
水田地の一角にある、この地が会見の場と伝わり「継体天皇」が腰掛けた「腰掛け石」などが在ります。6 六呂瀬山古墳群
九頭竜川右岸の山腹や稜線部に点在する古墳群で、継体天皇の母「振姫」の祖先一族の墓ではないかと言われています。
7 横山古墳群
竹田川右岸の山腹や山稜に点在する古墳群で、椀子皇子の子孫「三国公」一族(三国真人一族の祖先)の墓ではないかと言われています。
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コメント
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大変参考になりました!ありがとうございます!下兵庫大森塚かの千鶴姫かの母は道君の娘とあったみたいな??
投稿: 中條隆 | 2022年1月27日 (木) 09時09分