継体天皇の後継者たちへの旅(5) 桜井市
奈良県桜井市は「継体天皇の系譜をめぐる旅(4)」でご紹介したように歴代天皇の宮跡や陵墓・古墳などの史跡が多く点在している街です。
この街にも継体天皇の子孫たちに関わる史跡があります。 桜井市外山(とび)地区には継体天皇の皇子「欽明天皇」の宮「磯城嶋金刺宮(しきしまのかなさしのみや)」が在ったとされています。
以前は桜井市水道局脇に石碑が在りましたが、現在は「初瀬川」左岸の「式島橋」手前にある「磯城嶋公園」内に石碑が建てられています。 ここから約1キロ下流の歩行者専用橋「馬井手橋」がある初瀬川右岸の「金屋河川敷公園」には「仏教伝来地」の石碑が建っています。
仏教の一部は紙の伝来や渡来人によって伝わったと思われますが、公式的には欽明天皇の時代に百済の王から「仏教」が伝えられました。なお、継体天皇の時代にはすでに私的に伝わっていたと見られています。
所在地については下記の地図をご参照ください。
1 磯城嶋公園 2 金屋河川敷公園
3 崇神天皇宮跡 4谷地区若桜神社
5 阿部文殊院
その他、桜井市には「欽明天皇」の子にあたる「敏達・用明・崇峻・推古」の各天皇の宮も在ったと言われています。
ここで各宮の所在地をご紹介します。 第30代敏達天皇
幸王宮(さきたまのみや)
桜井市戒重 春日神社付近
第31代用明天皇
双槻宮(なみつきのみや)
双槻宮の所在地については谷地区と吉備地区の説があります。
これは古代に在った「磐余池」の所在がはっきりしていないためです。桜井市谷
石寸山口神社付近桜井市吉備
春日神社(吉備池隣) 第32代崇峻天皇
倉梯宮(くらはしのみや)
桜井市倉橋
倉橋にある崇峻天皇の陵墓とされる「崇峻天皇陵」近くに在ったとされています。 なお、倉橋に隣接した忍坂地区にある「天王山古墳」が本当の「崇峻天皇陵墓」ではないかとも言われています。
第33代推古天皇(女帝)
小墾田豊浦宮
桜井市大福 三十八柱神社付近
推古天皇の宮は2つ造られて「豊浦(とゆら)宮」の隣に「小墾田(おわりだ)宮」を造ったとも言われ、「明日香村豊浦 広厳寺(豊浦寺跡)付近が定説となっていますが、一説には「小墾田宮」は「桜井市大福 三十八柱神社付近」に造られたという説もあります。
また、欽明天皇の孫にあたる「聖徳太子」が少青年期を暮らしていた宮も在ったと言われています。
聖徳太子 上宮(うえのみや)
桜井市上之宮 上之宮庭園遺跡
「上宮」の名は父「用明天皇」の宮の上に在ったことから名付けられたと言われています。
桜井商業高校の東側にある「上之宮庭園遺跡」は「聖徳太子の館説」の他にも付近の豪族「阿部氏の館説」「谷氏の館」などの説もあります。
所在地については下記の地図をご参照ください。
6 春日神社(戒重) 7 山口神社(谷)
8 春日神社(吉備)
9 金福寺・崇神天皇陵(倉橋)
10 天王山古墳(忍坂)
11 三十八柱神社(大福)
12 上之宮庭園遺跡(上之宮)
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