継体天皇伝説外伝 秋田県鹿角市
十和田八幡平国立公園内にある秋田県鹿角市には「大日霊貴(おおひるめむち)神社」(鹿角市八幡平小豆沢)通称「大日堂」と呼ばれる神社があります。
ここには、継体天皇に関わる「ダンブリ長者」の民話と毎年1月2日に行われる無形民俗文化財「大日堂舞楽」が伝わっています。
物語は若干違った形で幾つかの伝承があるようですが「長者になった夫婦とその娘の物語」です。
民話「ダンブリ長者」(概要)
昔々、継体天皇の時世に太郎という働き者の若者が父親と二人で暮らしていました。
ある日、徳子という娘が神様のお告げに従って太郎の村にやって来て二人は結ばれました。
太郎夫婦は貧しい暮らしでしたがよく働きました。
ある日、太郎の耳元に飛んできた「ダンブリ(方言でとんぼのこと)」が「若返り酒がわき出る泉」の場所を太郎に教えました。
そして、病気の父親にその酒を飲ませると見る見る元気になりました。
この事が評判になり、太郎夫婦は大金持ちになりました。
そして娘を授かり美しく育ったある日、娘が帝に仕えることになり太郎夫婦は娘を連れて都に上りました。
娘は「吉祥媛」と呼ばれる妃になり、夫婦には「ダンブリ長者」の称号が与えられ故郷に帰って祝宴を開きました。(一説にはこれが大日堂舞楽の始まりとも言われています。)
月日過ぎ、夫婦は老いて亡くなりました。
一方、娘の「吉祥姫」は両親が亡くなった事を知り、悲しみました。帝は「吉祥姫」に両親の霊を慰める「社」を故郷に建てるように言われました。こうして建てられたのが「大日堂」です。
時が流れ、養老2年に長者の話を聞いた元正天皇は僧の行基に荒れ果てた「大日堂」の再建を命じ、そして見事再建された大日堂の落成に際して舞楽が奉納されました。
これが今に伝わる「大日堂舞楽」の始まりだそうです。
「大日堂舞楽」は九つの舞から構成され、「大日堂」の由来に関わる内容です。
詳しくは「鹿角市のホームページの鹿角のむかしっこ」または「大日堂舞楽」をご覧ください。
「大日霊貴(おおひるめむち)神社」の所在地については下記地図をご参照ください。
« 「樟葉宮(くずはのみや)」について | トップページ | 継体天皇伝説外伝 和歌山県橋本市 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント