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2008年1月14日 (月)

番外編 滅び行く古代からの道

越前国の国府が置かれた「越前市」周辺には、千年以上も使い続けられた古道が幾つか存在します。
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これらの道は時代と共に主街道から脇街道へと移り変わりましたが、昭和30年ごろまでは生活道路として利用されていたようです。

Kinometouge2 代表的な主街道は「北陸道」と言われる道です。
この道は国府から南へ下り、「湯尾峠」を越えて「今庄」から西へ「鹿蒜」・「新道」地区へ向かいます。
「新道」からは南へ進んで「木ノ芽峠」を越えて「敦賀」、そして琵琶湖西岸へと進み都へ至る道でした。

しかし、「木ノ芽峠」が整備される前は、「新道」地区から西へ向かい「山中峠」を越えて海岸沿いの「元比田」「大比田」へ下り、「敦賀」へ向かう「山中越え」と言われる道が主街道とされていたそうです。

現在、「山中トンネル」の山上にある「山中峠」は今庄側トンネル入口手前から左に入る林道を約500m登り、峠入口の標識のある左の谷に進んで沢沿いの細い山道を約700m行った所にあります。
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峠は緩やかな坂の上部にお地蔵さんがひっそりと祀られている祠があります。
しかし、峠から海岸部へ下る道は土砂崩れと倒木で道筋を見つけることが困難な状況になっています。
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また、国府の南に位置する「大塩」地区からは、通称「塩の道」と言われる道がありました。
この道は谷間の奥地にある「瓜生野」集落から集落左手の尾根沿いを登り、「菅谷峠」をl越えて「旧河野村菅谷」へ下って谷沿いを南へ進み、海岸沿いの「大谷」「元比田」集落へ至る道」です。
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Img_4960 この「塩の道」は海岸の集落で作られた「塩」を国府に運ぶために使われていた古代からの道だそうです。


Img_5331 現在は峠の南に位置する「ホノケ山」に登るための登山道として使われていますが、尾根沿いに残る深いU字形の道は千年以上も人の足によって踏み固められた痕跡だそうです。


その他にも「越前若狭 歴史街道」の著者「上杉喜寿」氏によれば、「大塩」地区の隣「春日野」地区にある「円福寺」左手の尾根に過って在った神社の東側を尾根沿いに伸びる深いU字形の道が、約千年前に都に戻る途中に「たこの呼坂」に立ち寄るために「紫式部」一行が通った道だそうです。
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この道は「春日野」から尾根沿いに「武生トンネル」上にある「具谷峠(七曲峠或いは七万曲とも言う)」へ向かい、「旧河野村具谷」へ下って「具谷」集落南の丸い山稜を持つ「山王山」の麓にあるお地蔵さんの祠の前から祠の上に続く尾根伝いの古道(一部林道で途切れる)を登り、「山王社」跡がある「山王峠」を越えて「河内」集落へ下ります。
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「河内」集落からは河野川沿いに上流へ約1キロ進んで南西に伸びる谷に入る林道を約500m行きます。
この付近に右側林道下の沢が二手に分かれる所であり、ここを右手の沢に入って沢沿いに約2.5キロ進むと「蛸(たこ)坂」の峠に達します。
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切通しになった峠を越えて南へ下る「蛸(たこ)坂」(国道8号で途切れる)を下って海岸沿いの「大谷」集落へ通じる道だそうです。
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この「たこ坂」へ通じる道は倒木や土砂崩れ・土砂採取・道路などで何箇所かで通行不能になっていますので注意してください。


Img_6141 「具谷峠」から約600m手前付近の尾根が約300m土砂採取のために深く削られているために古道が寸断しています。



Img_6172 また、「具谷峠」から「具谷」集落へ下る道も土砂崩れと倒木のために道の痕跡が不明になっています。



Img_6188 その他にも「たこ坂」までの沢沿いの道も倒木と荒廃のために通行が困難になっています。



Img_5889 それから「たこ坂」は国道8号(旧大谷第1トンネル敦賀側入口横)から「大谷」集落へ斜めに下る道が国道拡張工事などでルートが不明になっています。



なお、「紫式部」が通ったとされる「蛸(たこ)の呼坂」への道について推定ルートを「上杉喜寿」氏の著書を参考にして下記の地図に示します。

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